方言:アイクバーキ
意味:竹製の籠の名称(籠網漁で使用する道具)
内地の漁師は「かご」または「しかけ」と言います、湾内や近海で漁に使用する小型の籠の事で、直径175cmの大型のものから直径60cm程度の小型のものまで狙う獲物によって様々なサイズのものがあります。
現在では、ナイロンやプラスチックの網と番線や鉄筋の枠で造られたものが主流になっており、竹製のものは見かける機会は少なくなっております。
海産資源が豊富な沖縄では漁で生計を立てている人が多く、「アイクバーキ」は現在でも重要な漁の道具です、同じ沖縄でも地域によって呼び名に違いがあり南部の糸満では「ティール」北部の国頭では「アニク」とよばれます。
籠網漁の正確な発祥は不明ですが、竹篭を使用しての沈設型漁法は昭和の初期に沖縄に伝わり、その際に使用された丸型の竹篭が「ティール」という名で普及したと記録にあります。
漁の対象
魚を対象にしたものは、大型で丸い形状をしており、さんご礁の間にできる水深5m~20mの深さにある、魚道といわれるポイントに沈設して使用します。
餌は煮たサツマイモを使用する事も可能ですが、主に冷凍イワシなどの小型の魚が使用されます、籠は通常8日前後沈設したままにしておき、数日おきに見回りをし、獲物が獲れていたら横の開閉部からモリで突いたり引っ掛け針で漁獲します。
カニを対象にしたものは、小型で正方形の形状をしており、湾内の水深5m~15mのポイントの沈設し翌日に揚籠し漁獲されます。
沖縄では金武湾内の石川、具志川付近の海域でタイワンガザミやジャノメガザミを盛んに漁獲されています。
沖縄では漁と兼業でマリンショップを経営しているケースが多く、離島に遊びに行く際やマリンスポーツを楽しむ際に港を利用しますので頻繁に籠を見かけます。
また、沖縄料理お店や鮮魚をメインにしているお店では小型の籠が飾りつけられている事もあるので「アイクバーキ」や「ティール」などの方言を覚えていると、会話に困った時にちょっと便利です。