私には、沖縄に住んで10年になる妹がいます。
彼女は、5年前に地元の人と結婚し、
子育てしながら、長男の嫁という大役と日夜奮闘中です。
妹の旦那さんは、高校の同級生たちとの月に一度の
模合(もあい)をとても楽しみにしています。
そこで、何がそんなに面白いのかと、
じっくり聞いてみました。
模合(もあい)って何?
模合(もあい)とは、辞書にものっていない、
沖縄独特の相互扶助システムのことだそう。
語源は、「もやい」、つまり「港で岸につなぎとめるための綱」と
いわれていますが、よくわからないらしい。
ちなみに沖縄の方言では「ムエー」。
かつて本土よりも金融制度が立ち遅れいていた頃、
お金をお互いに融通し合う、地元の人たちの知恵から
生まれたシステムです。
理由は、当時は商売をはじめたり、何か高価な物を購入する時に、
まとまったお金を用立てる術が無かったから。
模合(もあい)の仕組みは、こんな風です。
例えば20人(人数に決まりはありません)が集まって、
毎月3万円ずつ持ち寄ります。
そこで60万円のお金が集まります。それを順番に受取るのです。
つまり一番最初に60万円を手にした人は、
残りの19ヶ月、毎月3万円を支払うということになります。
銀行に融資してもらったお金を、毎月返済している
という考え方です。
参加人数、金額は模合(もあい)をはじめるときに
相談して決めます。
毎月利子を付け最後にお金を受け取る人が
ちょっと得する模合(もあい)や、月ごとに積立をし、
模合(もあい)終了時に全員で積立金で旅行に行くなど
運用方法は自由です。
つまりアイディア次第で様々な模合(もあい)が
開かれています。
ところが中には、まとまったお金を手に内地に持ち逃げして、
二度と沖縄に戻ってこれない人もいるとか。
ですから、信頼できる人同士でしか
模合(もあい)は開きません。
模合(もあい)を開く場所は居酒屋が多いため、
仲の良い友達と「月に一度くらいは酒を飲みたい」と、
現在は1万円くらいで、同級生や職場、親戚等で行う
模合(もあい)が一般的。
また、模合(もあい)を通して、仕事探しや婚活、
もちろん冠婚葬祭と沖縄にはなくてはならない、
大事な大事なネットワークなのです。
彼が、模合(もあい)に熱心な理由がよくわかりました。
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