日本語を言語学上に大まかに分類すると、本土方言と琉球方言に分けられます。
人口比で考えると、日本のほとんどが本土方言を使用、琉球方言は南北1000kmに広がる島しょ郡に住むわずか1%の人々が使っているのにすぎない言葉です。
だから、本土方言(いわゆる日本語)の文化圏の人々にとっては、この琉球方言はまるで外国語のように聞こえるのかもしれません。
「琉球方言はまるで外国語のようだ」、というおもな原因のひとつに、音韻の違いがあげられます。
日本語の母音は「あ」「い」「う」「え」「お」の5音だが、琉球方言は「あ」「い」「う」のみです。
「え」は「い」に、「お」は「う」に変化するので、「あ」「い」「う」「い」「う」となるのが、琉球方言の音韻の特徴です。
たとえば、「雲」は「くむ」、「水」は「みじ」というようになります。
琉球方言は、奄美諸島(鹿児島)から波照間島や与那国島まで広範囲にわたり使われてきたので、使用範囲は広い。奄美地方の言葉が琉球方言に含まれている理由は、かつては琉球王国の一部であったからでしょう。
したがって、琉球方言は大きく北琉球方言(奄美諸方言と沖縄諸方言)と南琉球方言(宮古、八重島、与那国の諸方言)に分けられ、さらに音韻、文法や語彙によって細かく分類できる特徴をもっているのです。
スポンサーリンク